はじめに:
微小世界の3Dタイムラプス、前回は桜の開花(下記リンク)でしたが、今回の題材は無機物の食塩です。
moku2camera.hatenablog.com 食塩水を放置して水分が蒸発すると、液中に食塩の結晶が析出します。蒸発が進むと結晶が成長するので、その様子を3Dタイムラプスで撮影しよう、という訳です。
[1]試料の準備
必要なのは、飽和食塩水とその中で成長する「種結晶」です。以下のステップで準備しました。
①耐熱ガラス製容器に水道水100mlと食塩40g強を入れて、よくかき混ぜる。
②低出力(200W)に設定した電子レンジで、①を少しずつ加熱する。沸騰して液面に白いフレークが現れたら、加熱を止める。
③容器にラップで蓋をして自然冷却し、一晩おく。
④コーヒー用フイルターで、③の液をろ過する(飽和食塩水)。
⑤小さめのグラスに、④の飽和食塩水を深さ1cmほど入れる。埃が入らないようにグラスの口にティッシュペーパーをかぶせて輪ゴムで止め、静かな場所に放置する。
⑥グラスの底に小さな結晶(種結晶)が出来たら、ティッシュペーパーを外し、グラスごと撮影装置に載せて、結晶成長の撮影を開始する。
今回の種結晶作りでは、⑤の放置開始から二日後に約2mmの結晶が一つ出来ていることに気づきました。あるいは、放置翌日くらいには既に結晶が出来始めていたのかも知れません。
[2]撮影条件
・撮影間隔:10分に1回
・撮影期間:2026-04-10 22:10 から 2026-04-13 18:30 まで
・撮影回数:411回
・実体顕微鏡の総合倍率
‥撮影前半:20倍(実視野は幅7.9mm)
‥撮影後半:10倍(同15.8mm)

写真1 撮影の様子。飽和水溶液の中で成長中の食塩結晶。中央にある最も大きい一個は、最初に現れたもの。その周りにある小さめの数個は、後から現れたものです。
[3]撮影結果
それでは動画です。これまでと同様に、平行法と交差法の3Dです(→[5−1])。
【食塩結晶の成長(Salt Crystal Growth)/平行法(Parallel Viewing)】
www.youtube.com
【食塩結晶の成長(Salt Crystal Growth)/交差法(Cross-eye)】
www.youtube.com 動画の後半では、視野中央にぼんやりした異物が写り込んでいますが、これは液面に析出した食塩結晶です。観察の邪魔になるのでなるべく取り除いたのですが、次々に現れたので取り切れませんでした。この問題は、本件撮影方法の課題として残りました。
[4]乾燥後の食塩結晶
次は、おまけ画像です。3Dタイムラプス撮影の終了後、グラスの食塩水を除いて、乾燥した食塩結晶のステレオ写真を撮りました。

写真2 食塩の結晶(Salt Crystal)/平行法(Parallel Viewing)

写真3 食塩の結晶(Salt Crystal)/交差法(Cross-eye)
[5]参考
[5−1]3D動画の見方(平行法と交差法)
www.stereoeye.jp
[5−2]種結晶の作り方・きれいな結晶の作り方
本記事の最初に記した種結晶作り(→[1])は、群馬大学の下記動画を参考にしましした。
www.youtube.com なお、この動画では、種結晶を成長させる段階になると、大きな単結晶が出来るように、食塩水が入った容器に蓋をしています。これに対して本記事では、撮影のためにグラスの口を開けたままにしていました(写真1)。今回出来た結晶に多結晶がたくさんあるのは、蓋をしなかったからでしょう。液面に結晶が析出したのも、同じ原因かも知れません。