もくもくカメラのブログ

趣味の工作のこと、日常生活の中で気づいたこと(ときには文学や外国語やその他のこと)を書いてます。

接写でタイムラプス3D動画 −②実体顕微鏡+コリメート方式 の実験−

 先日は、タイムラプス3D動画を接写で撮る方法の机上検討を行い、「実体顕微鏡+コリメート 方式」と「スライド絞り方式」の2つを考案しました。

moku2camera.hatenablog.com 今回は、上記2案の1つ目「実体顕微鏡+コリメート 方式」を試す実験です。実験はなるべく簡単にしたいので、スマホカメラを実体顕微鏡の接眼レンズに手持ちで覗かせて撮影する、というやり方にしました。用いる実体顕微鏡は昨年購入したカートン製の中古品です。

moku2camera.hatenablog.com 次の写真1〜3が撮影結果です(いずれも平行法)。

▼続き(クリックで表示)

 

写真1 キーホルダーに付いていたオープンカー(横幅約12mm)。倍率は10倍(対物レンズ1倍、接眼レンズ10倍)、実視野の直径は23mm。

 

写真2 ラズベリーパイのプリント基板。倍率と実視野は写真1に同じ。

 

写真3 ラズベリーパイのプリント基板。倍率は20倍(対物レンズ2倍、接眼レンズ10倍、実視野の直径は11.5mm)。

 

  いかがですか。これらの写真を両眼で見ると、私には明瞭に立体視できました。それは良かったのですが、立体感がかなり強く、奥行きが実際よりも倍くらい強調されるように感じました。そこで、改めて同じ実体顕微鏡を用いて肉眼で観察したところ、こちらは立体感は強くも弱くもなく、自然な見え方をするように感じました。念のために、この実体顕微鏡の対物レンズまわり等の寸法を実測して内向角を求めると、11°となり、内向角の一般的とされる値12°とほぼ一致しました。

 いっぽう、「シーソー方式」に関連して以前にご紹介した文献

(1)岩井 邦中, 1981 : 雪の結晶の顕微鏡立体写真を撮影する簡単な方法, 天気, 28, 37-40.

https://www.metsoc.jp/tenki/pdf/1981/1981_06_0377.pdf

(2)塚越 哲, 2021 : 微小標本のステレオ写真の作り方 −オストラコーダを例に−, 自然史しずおか 第75号, 7-8.

http://www.spmnh.jp/news/news75/N75cet.pdf

には、ステレオ写真のために試料(被写体)を傾ける角度が記されています。その値は、文献(1)では6.4° 、文献(2)では(±2.5°=)5° です。立体視の意味で、シーソー方式の試料傾け角度は、実体顕微鏡の内向角に相当します。ということは(肉眼での直接観察は別として)ステレオ写真の撮影には、5°ないし6.4°程度が内向角の適正値なのかも知れません。

今回の検討のまとめ:

・実体顕微鏡とスマホカメラの組み合わせで、明瞭に立体視できるステレオ写真が撮れた。

・そのステレオ写真は、実際よりも立体感が強調されているように感じた。

・自然な立体感を得るための内向角としては、実体顕微鏡の11〜12°よりも、5〜6.4°程度の方が適切かも知れない。